【埋立地】①廃止された処分場(自治体施設)に対するアンケート調査。終了~廃止の年数,廃止項目の測定方法・廃止の判断基準,廃止後の埋立地管理(水処理停止,施設の撤去),跡地利用。②廃止を許可する立場にある都道府県へのアンケート。地下水,浸出水,温度,ガスの測定方法に対する指示。
【埋立地】埋立地の廃止を難しくする主な要因として「維持管理基準より低い処理水自主基準の設定」「埋立地内の内部滞水(内部が嫌気的になる)」がある。これらのことを中心に,全国約800の埋立地にアンケート調査を実施した(有効回答367)
【埋立地】屋根付き処分場の現状を調査(有効回答58施設)。調査項目は,埋立物と覆土,しゃ水,漏水検知などの構造,廃棄物安定のために行う散水,浸出水処理プロセス,覆蓋型の選定理由など。浸出水の循環(無放流),膜処理の利用の多さが明らかとなった。
【マテリアルフロー】自治体のごみに関するデータは,収集,処理,資源化などばらばらに整理されている。ごみの排出源,種類ごとに排出から最終処分までを一枚のシートで,統合的にまとめるデータ管理方法のガイドライン。データの整理,他自治体との比較が容易に行える。
【埋立地】2014~16年の間に行った埋立地内への空気流入メカニズムに関する研究の,まとめの報告書。室内実験,理論解析により浮力発生による自然換気モデルが適合することを示し,また全国の産業廃棄物処分場に対するアンケート調査により,準好気性機能が達成されているかを調査した。
【マテリアルフロー】自治体におけるデータ整理の問題点を示し,統一的なデータ収集を考案した。この手法によって複数自治体のデータを収集し,資源ごみ品目別収集量,方法別収集量の比較,ごみ処理フローの作成に応用できることを示した。
【産業廃棄物】産業廃棄物には20種類が指定されているが,一つの区分に様々な廃棄物が含まれて性状が異なり,処理方法も違う。また産業廃棄物処理施設は都道府県などの許可が必要だが,その手続きが長期化し,適正な処理の遂行を妨げている。以上2つの点についてデータを収集し,問題点を分析した。
【埋立地】2014年の結果をもとに,全国の一般廃棄物最終処分場において準好気性構造が機能しているか(埋立地内部に空気が流入しているか)を調査した。過去の研究より空気流入の可能性がある72施設に対してアンケート調査を行い,機能が健全な施設は14%と推定された。
【埋立地】準好気性最終処分場における空気流入メカニズムを明らかにするため,使用中の埋立地における調査を行った。すべてのガス抜き管における温度・ガス流量の測定,およびCOガスを用いたトレーサー試験により,浮力によりガス抜き管を通じて流出し,集排水管から吸引されることを明らかにした。
【家庭系有害廃棄物】家庭から発生する農薬,塗料などは海外では家庭系有害廃棄物と呼ばれているが,日本ではそれらを回収する仕組みがない。北海道旭川市において全市を対象に回収実験を行い,製品の種類,回収個数・重量を測定した。結果をもとに回収方法の提案を行った。回収品目の詳細なデータ付き。
【メタン発酵】乾式メタン発酵の基礎データとして,バッチ実験による生ごみ,野菜,紙類など種類別の有機物量とメタンガス発生量を分析した。これよりごみの組成からガス発生量を予測できる。また廃棄物を間欠的に投入する施設の,バイオガス発生量の時間変動をモデル化し,実測データによく一致することを示した。
【焼却】日本の中心的処理である焼却は,エネルギー効率など,個々の施設のパフォーマンスは不明であった。全国の全連続式一般廃棄物焼却施設に対しアンケート調査を行い,物質収支,コスト,エネルギー収支,環境保全対策技術などの分析を行った。各施設の相対的な位置づけを評価することができる。
【収集】札幌市で戸別収集導入の検討を行った際の調査結果をまとめた。戸別収集を模擬的に実施し,収集車を追跡して移動距離,移動時間,作業時間などを測定,また全車両に出発,到着などの時間の記録を依頼し,分析した。ステーション収集から戸別収集に変更した際の作業時間・コストの変化を推定した。
【自治体データ】全国市町村・組合を対象とする一般廃棄物処理実態調査は,項目別合計を求めるだけにとどまっている。他自治体と比較し,相対位置を知ることが改善につながるため,統計的手法を用いてデータの詳細分析を行った。
【堆肥化・メタン発酵】全国の堆肥化施設,メタン発酵施設を対象にアンケートおよびサンプル入手を行い,廃棄物の種類別にグループ化し,物質収支,コスト,エネルギー収支,および堆肥の元素含有量,メタン発酵消化液の栄養成分を調査した。分析対象数は,堆肥化25施設,メタン発酵86施設。